肉の手帖
ゼロから学ぶ畜産 / 和牛【わぎゅう】
2019.08.14
3行でわかる和牛
- 1940〜50年代にかけて定義された、日本の牛に固有の形質を持つ牛の総称です。
- 主に黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種を指します(その交雑種も該当します)
- 和牛は日本生まれですが、国産牛は日本生まれでない場合もあります。
和牛とは
日本の牛に特徴的な形質(霜降りなど)を持った牛全般を指します。具体的には、食肉の表示に関する公正競争規約や農林水産省のガイドラインによって、以下の6品種が和牛と定められています。
- 黒毛和種
- 褐毛和種
- 日本短角種
- 無角和種
- 1〜4の交雑種
- 1〜4と5の交雑種
一般的に「和牛」と読んだ場合、1〜4の4品種を指すことが多いです。
黒毛和種は角があって体毛が黒い牛、褐毛和種は角があって体毛が褐色の牛です。角がない牛は体毛の色などにかかわらず無角和種に分類されます。
日本短角種はその名前から角が短い牛だと勘違いされやすいですが、角の長さはほかの品種と変わりません。かつて外国種による改良が進められた時代に、ショートホーン種という牛と交配したのが品種名の由来です。
また忘れられがちですが、和牛間交雑種も和牛です。たまに「和牛肉だと聞いて、牛トレーサビリティで調べたら、交雑牛だった。不当表示ではないか」という声を聞きますが、安心していただければと思います(ただし、和牛と乳用種の交雑種は和牛には該当しません。あくまで和牛どうしの交雑種のみです)
肉用種の90パーセント以上は黒毛和種
日本国内で飼養されている肉用牛(約250万頭)のうち、肉用種(約170万頭)の占める割合は全体の約68パーセント。そのうちに占める黒毛和種(約165万頭)の割合は、実に97パーセントになります。
ちなみに和牛のなかで黒毛和種の次の多い褐毛和種でも、その頭数はわずか21,800頭。肉用種全体のわずか1.3パーセントしかいない、とても貴重な牛です(農林水産省「畜産統計」2018年2月調査より)
和牛は日本生まれのみ、国産牛は外国生まれの場合も
和牛と国産牛は、似たような名前のためか、混同されてしまうことも多いです。
両者の主な違いは、
- 和牛:日本で生まれ、日本で育った牛
- 国産牛:日本で最も長く育った牛
です。そのため国産牛は外国生まれの場合もあります。
関連記事
和牛についてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。