肉の手帖
熊本あか牛ハンバーグの魅力やおいしい食べ方まとめ
あか牛は褐毛和種(あかげわしゅ)と呼ばれる和牛の別名です。和牛には黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4種類がいて、それぞれお肉の質や味わいが違います。
あか牛のお肉の魅力は、程よい霜降り(サシ)と赤身肉のうま味のバランスが取れているところ。肉汁たっぷりでジューシー、それでいてお肉本来の味も楽しめるので、ハンバーグにぴったりの牛肉といえます。
今回はあか牛の魅力と、簡単おいしいハンバーグレシピをご紹介します!
牛肉全体のわずか0.87%しかない、希少な”あか牛”のお肉
あか牛は熊本県や北海道、高知県などで育てられていて、2018年の畜産統計調査によれば、その頭数は21,800頭。肉用牛(皆さんが食べる牛肉を作ってくれる牛たち。全国におよそ251万頭)全体のわずか0.87パーセントと、極めて希少な牛です。
同調査によれば、あか牛を育てている頭数が多い都道府県・トップ3は次のようになっています。
都道府県 | 飼養頭数(頭) |
熊本県 | 15,200 |
北海道 | 2,840 |
高知県 | 2,080 |
1位の熊本県が全体の約70パーセントを占めています。
熊本系と高知系の2種類がいる
あか牛は熊本系と高知系の2種類に分かれます。熊本系は全身が褐色ですが、高知系は目の周りや鼻の先っぽ、蹄などは黒いという違いがあります。この黒色を持つ牛は「毛分け」と呼ばれ、高知では立派な牛の証とされました。
一方、熊本県のあか牛は、交配を重ねるうちに自然と全身が褐色へ変わっていったとされます。全国のあか牛は、その大半がこちらの熊本系です。
そんなあか牛のお肉、実はハンバーグにぴったりのお肉なんです。
熊本あか牛ハンバーグの魅力は、ジューシーかつヘルシー
ここ数年、あか牛のお肉は人気が高まっています。日本食肉消費総合センターの調査によれば、お肉を選ぶ時に「必ず赤身肉を食べる」という方は年々増えており、2016年には14パーセントに達したそうです。
消費者の間で健康志向が強まっており、あか牛やホルスタインといった脂肪の少ないヘルシーなお肉の需要が増えています。
あか牛のお肉は、霜降りこそ黒毛和種には及びませんが、お肉自体のうま味は同等以上です。あか牛のお肉は、特にうま味成分が多いことで知られています。
あか牛は一般的に放牧で育てられます。そして放牧は、赤身肉のうま味成分を増やす飼養法であることが研究でわかっています。広々とした草原で、のびのび動き回り、草をたっぷり食べて育つあか牛は、それだけうま味成分が多い、おいしい牛肉をつくってくれるのです。また、必須アミノ酸も多く含んでおり、私にとって貴重なタンパク源でもあります。
(なお、すべてのあか牛が放牧で育てられているわけではありません)
そのため、あか牛のお肉は「お肉の味を楽しみたい」「脂肪が多くないお肉を食べたい」「お肉を食べたいけど、カロリーは抑えたい」という方にオススメです。
あか牛(褐毛和種)について詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。
なお、あか牛のお肉は脂肪が少ないため、格付けが低くなる傾向にあります。ですが、格付けとお肉の味に直接の関係ありません。たいへんおいしいお肉ですので、ぜひ一度、味わってみてください。
格付けについて詳しく知りたい方は、以下の記事も併せてご覧ください。
あか牛ハンバーグの魅力は、たっぷりの肉汁と、噛めば噛むほどあふれるお肉本来の味わい。しかも脂肪が少なく、栄養たっぷりで健康的。ジューシーでありヘルシーという、一挙両得なお肉です。
熊本あか牛ハンバーグを使ったおすすめレシピをご紹介
あか牛ハンバーグはお肉の味が引き立つので、さまざまなアレンジを楽しめます。ここでいくつか簡単にご紹介したいと思います。
その1 トマトソースハンバーグ
レシピ
- 熟したフライパンに油を引き、解凍したハンバーグを入れて焼き色がつくまでじっくりと焼きます。
- 片面に焼き色がついたら、ひっくり返します。ペースト状にしたホールトマト(200cc)を入れ、蓋をして5分ほど蒸し焼きにします。
- お皿にハンバーグを取り出し、トマトソースに塩をひとつまみ、コショウを少々加えて味を整えます。
- お皿にお好みの付け合わせを盛り、ハンバーグにトマトソースをかけて完成です。
その2 チーズハンバーグ
レシピ
- 熱したフライパンに油を引き、解凍したハンバーグを入れて焼き色がつくまでじっくりと焼きます。余分な油はペーパータオルで拭き取ります。
- 片面に焼き色がついたら、ひっくり返します。ハンバーグの上にシュレッドチーズ50gを乗せて、蓋をして2〜3分ほど蒸し焼きにします。
- お皿にお好みの野菜を添えて、ハンバーグを盛りつけて完成です。
その3 デミグラスソースハンバーグ
レシピ
- マッシュルームは石づきを取り、薄くスライス。しめじは石づきを取り、ほぐしておきます。熱したフライパンに油を引き、解凍したハンバーグを入れて、焼き色がつくまでじっくり焼きます。
- 余分な油はペーパータオルで拭き取り、片面に焼き色がついたらひっくり返します。蓋をして5分ほど蒸し焼きにします。
- 鍋にきのこ、赤ワインを入れて煮詰めます。赤ワインが半量以下まで煮詰まったら、ソースを入れてさらに煮立たせ、フライパンに移します。そして再度蓋をして、5分ほど蒸し焼きにします。
- トマトケチャップを加えて味を整え、皿に盛り付けます。お好みの野菜を添えて、最後に生クリームをかければ完成です。
その4 和風ハンバーグ
レシピ
- 熱したフライパンに油を引き、ハンバーグに焼き色がつくまでじっくりと焼きます。余分な油はペーパータオルで拭き取ります。
- 片面に焼き色がついたら、ひっくり返します。付け合わせのナスを入れ、蓋をして3〜4分ほど蒸し焼きにします。
- ハンバーグを竹串などで挿し、透明な肉汁が出てきたら火からおろします。
- お皿に、すりおろした大根、ナスや付け合わせの野菜を盛りつけて、ポン酢をかければ完成です。
ジューシーでヘルシーなあか牛ハンバーグを使ったアレンジレシピ、皆さんもぜひチャレンジしてみてください!