肉の手帖
ごま油が香る! 絶品チャプチェのレシピ
韓国料理でも人気のチャプチェは、春雨とたくさんの野菜を使って作ります。お肉料理なのにとてもヘルシーに仕上がり、栄養バランスもいいため、子供たちに是非食べさせたいメニューのひとつとなります。
チャプチェは、もとはお祝いの席や多くのお客さんを招くときに作られる伝統的な前菜で、宴会料理のひとつでもありました。韓国料理なのに辛くないので、子供から大人まで誰もが食べられるのが特徴です。パーティーやちょっとした集まりのお料理メニューとして日本でも広まりました。
チャプチェの春雨は正式には韓国春雨を使って作るのですが、日本ではなかなか手に入らない食材でもあるので、今回は緑豆春雨を使って、見た目もカラフルでお野菜たっぷりなチャプチェを作っていきます。ごま油の香りがふわっと香り、食欲をそそるので、ご飯の進むおかずとしてもおすすめです。
ごま油が香る! 絶品チャプチェのレシピ
材料(2人前)
材料 | 分量 |
牛肉 | 200g |
ほうれん草 | 1束 |
シイタケ | 3枚 |
赤・黄パプリカ | 各1/2 |
にんじん | 1/3本 |
玉ねぎ | 1/3本 |
水煮たけのこ | 1袋 |
緑豆春雨 | 1袋 |
いりごま | 小さじ1/2 |
A 牛肉の下味用
材料 | 分量 |
しょうゆ | 大さじ1 |
砂糖 | 小さじ1 |
おろしにんにく | 小さじ1 |
B チャプチェの調味料
材料 | 分量 |
しょうゆ | 50cc |
砂糖 | 小さじ2 |
ごま油 | 10cc |
作り方
1)春雨を戻します。鍋にたっぷりの湯を沸かして、沸騰したら春雨を入れます。
2)菜箸で混ぜながら再び沸騰させ、その後中火で約2分茹でます。茹だってくると固く白かった春雨が、柔らかくなり透明感が出てきます。
【ここがコツ!】
1.
茹ですぎるとコシがなくなるので、熱湯で短時間で茹でるのがポイントです。春雨が透明になってくるので注視しておきましょう。
茹だったらザルに上げて、よく水けをきり、冷ましておきます。この時、水分を吸っているので、重さが3倍ぐらいになります。
2.
ざるに上げた時に水洗いすると水っぽくなります。そのまま冷ますことで、水っぽくなるのを防ぎ、調味料もしみ込みやすくなります。
ですが、水洗いしなければ、その分絡みやすくなるため、油や具材をあまり入れないメニューの時は、水洗いして、表面のぬめりを落としておくと扱いやすくなります。今回のチャプチェは、具材も油もたくさん使うので、水洗いしない方がいいでしょう。
3)冷めたら食べやすい長さに包丁で切っておきます。
【ここがコツ!】
今回使用した緑豆春雨は、緑豆のでんぷんを原料にしたもので、コシがあり、加熱してものびにくいという特徴があります。そのほかに、いものでんぷんを原料にした春雨もありますが、こちらは柔らかくのびやすいため、チャプチェには適していません。
乾燥した春雨は常温で長期保存ができます。一度開封したものは、湿気が入らないようにジッパー付きの保存袋に入れておきましょう。
4)ほうれん草を茹でます。まず、ほうれん草を洗います。根っこがついていたら、その部分を切り落とします。この時、束がバラバラにならない、つながっているあたりで切り落とすようにしましょう。
【ここがコツ!】
ほうれん草は根元のピンクのところにも栄養素がたっぷり入っているので、ここまで調理に使います。ほうれん草は根元に砂や汚れが残りやすいので、この部分を特に意識して洗うようにしましょう。
5)次に株の部分を十字に切れ目を入れていきます。
この時、左手でほうれん草の中ほどをつかみ、右手で持った包丁入れていくのですが、手を切らないように気を付けましょう。1〜2cmの深さで茎の太さよりも細かく切り込みを入れていきます。
6)水をボウルにためて、その中でほうれん草を洗います。
根元の部分が特に汚れているため、ごしごし揉むようにして洗いましょう。根元が洗えたら、水を変えて葉の部分も洗います。
7)ほうれん草を茹でます。まず、束の中央部分を輪ゴムでしばります。
【ここがコツ!】
ほうれん草は茹でているうちに束がばらけます。今回のチャプチェはほうれん草を混ぜて使うのでばらけてもかまわないのですが、輪ゴムを使うことで、茹でたり、切ったりというこのあとの作業が便利になるので、輪ゴムで縛っておくようにしましょう。
8)鍋にお湯を沸かし、沸騰したら小さじ1杯の塩を入れます。
【ここがコツ!】
塩を入れるのは色止めをするためです。ほうれん草の緑が鮮やかになり、塩気がほうれん草の味わいを引き立ててくれる役割があります。
9)まずはほうれん草の茎の部分を茹でます。
手で葉の部分を持ったまま茹でていきましょう。目安は30秒です。
30秒経ったら、葉の部分もお湯の中に沈め、ほうれん草全体を茹でていきます。目安は15秒です。
15秒ぐらい経ったら、鍋の中のほうれん草の上下の向きを変えてさらに茹でます。
目安は15秒です。
鍋の中でまんべんなくほうれん草を茹でたら、すぐにザルにとって、冷水で冷まします。冷めたらほうれん草を絞ってまな板に置き、4cm幅ぐらいに切り、さらに水けを絞ります。
【ここがコツ!】
ほうれん草は茹ですぎるとおいしく仕上がりません。ですが、根元の部分は葉の部分に比べて茹でるのに時間がかかります。そこで、時間差をつけて茹でていくとうまくできます。
また、ほうれん草は切ったあとも水分が出やすく、そのまま使うと水っぽくなりやすいので、切ったあとにさらに絞っておきます。
茹でたほうれん草は冷蔵庫で2日、冷凍庫で1か月ほど保管できます。凍ったほうれん草は自然解凍をしてそのまま使えます。
10)パプリカを切ります。パプリカは赤、黄色ともに柄の部分を切り、縦に2つに切り、中の種を指で先に掻き出します。
それから千切りに切っていきます。
【ここがコツ!】
パプリカの表面のつるつるした面から切ると包丁の歯が滑って千切りにしにくいので、裏から切っていくと比較的簡単に千切りにできます。
11)にんじんは皮をピーラーで剝いて、こちらも千切りにしていきます。最初から輪切りにして千切りにすると細い千切りになってしまうので、まずは1/3から半分ぐらいに切り、縦に5ミリぐらいの大きさで切り、それをさらに、千切りしていくようにしましょう。
12)玉ねぎも皮を剝いて薄切りにしていきます。半分に切ってスライスしていきましょう。
13)シイタケは汚れをキッチンペーパーなどで軽くふき取ります。軸を切って、こちらもスライスしていきます。
【ここがコツ!】
栄養価があるので、軸もお料理に入れるといいですが、パーティーメニューなどにする場合は見栄えが悪くなるので、別のお料理に細かく切って入れるといいでしょう。
14)タケノコは縦に切って、千切りにしていきます。
【ここがコツ!】
タケノコには節があり、その節に沿って千切りするようにするときれいな千切りになります。
節に沿わないで千切りをすると、節の部分がみじん切りのようになってしまい、扱いにくくなるので注意しましょう。
15)牛肉は細切りにします。切ったお肉はAの調味料でよく揉みこみ、下味をつけて1分ほど置きます。
【ここがコツ!】
にんにくは生にんにくをすりおろしてもいいですが、チューブになっているのを使うと簡単です。よく揉んで下味をしみこませておきましょう。
16)フライパンにサラダ油をしいて、パプリカ、にんじん、玉ねぎ、シイタケをを中火で炒めます。
17)野菜がしんなりとしてきたら、いったん鍋から取り出し、今度は同じフライパンに油をひいて牛肉を炒めます。
よく炒めて牛肉が赤色から茶色に変わったら春雨を入れます。
春雨は冷めて固まっていますが、よくほぐしながら混ぜ合わせていきましょう。春雨自体にはほとんど味がないので、しっかりお肉と混ぜ合わせて、春雨全体に味がしみこむようにしましょう。
18)春雨の色が変わってきたら、再び野菜を戻し入れて混ぜ合わせます。
ほうれん草とBの調味料を入れて、かるく混ぜ合わせます。火を止めてから、ごま油を回し入れて軽く混ぜます。
19)お皿に盛った上からごまをふりかけて完成です。
チャプチェは炒め物なので、出来立てが一番おいしいです。パーティーなどで出すときは、具材を切るなどの下ごしらえはあらかじめしておき、直前で手早く炒めるようにしましょう。
また、春雨はつるつるした食材ですが、時間を置けばくっつきやすくなります。ごま油を入れることでかなり軽減はできるものの、やっぱり作り立てのおいしさには勝てません。
是非、パーティーなどでは、出来立てのごま油香るチャプチェを出すようにしましょう。